秋になるとタデ科の花がたくさん咲く。タデ科といえば、赤飯(あかまんま)と呼ばれるイヌタデ位しか分からなかった。「蓼食う虫も好き好き」はヤナギタデのことで、別の項目で述べたが、他にも存在感があるタデ科の植物がたくさんある。
サクラタデ
ミゾソバやソバもタデ科であるが、イシミカワ、アキノウナギツカミ、ママコノシリヌグイなどは特徴があってそれぞれ存在感がある。イシミカワはその実が層になった団子状で、時間が経つと緑から青色に変化していく。その層になった実を下の皿状の葉が支えている。皿の上に小さな団子を置いたような姿形をしており、なかなか可愛い実である。アキノウナギツカミは茎が長く、茎に生える葉と葉の間が離れている。花は枝先に数個ずつ集まって咲く。その点ではミゾソバのように花が密生しておらず、タデの中では風通しの良い植物である。ママコノシリヌグイはアキノウナギツカミに較べると、葉の間が短く花もミゾソバほどではないが密生している。このママコノシリヌグイの名前を初めて聞いた時、名前に吃驚した。名前を名づけた経緯は分からないが、継子を憎らしく思って、それで尻を拭くというと鬼のような継母だと思うが、どちら側の立場を念頭に名づけたのかなと思う。仰天するようなネーミングは、他にオオイヌノフグリがある。フグリというのは金玉という意味だから「犬の金玉」という名前である。名前のつけ方についても色々な事情があるのだろうが、なかなか生々しいものもあると実感する。
これら3つのタデは棘が生えている。特にママコノシリヌグイの棘は下向きでたくさん生えているので、これで尻を拭いたら大きな被害が出るだろうなと思う。アキノウナギツカミは鰻の体表のぬめりなどを棘で留めることができるから、掴み易いだろうと思う。
こうして秋にタデ科の花が多いことは分かってきたが、山元沼の周りで初めて見るタデを見つけた。細長い花茎に小さいピンクの五弁の桜に似た花がついている。秋口にはだんだんと植物の花は終わり始めるのでとても目立つ。初めて見たときには、その桜色のピンクとタデ科としては大きな花をつけているのを見て感動した。写真を何枚もデジタルカメラで撮ったが、パソコンに取り込んだらほとんどがピンボケだった。そんなことがあったので、翌年にも同じ所で咲くだろうと思い、秋口からずーっと一週間ごとの土日に様子を見に行った。9月の末頃になって、サクラタデが咲きだしたので、新たに買った望遠付きのカメラ、アイフォーンのカメラ、デジタルカメラの3種類のカメラで写真を撮ったのである。それでもなかなか焦点が合わずに、ボケてしまったものもあるが、昨年度よりはピントが合ったものが何枚か撮れた。その良いものをトリミングして、色と明るさの修正をした。
愛知県の蟹江に夏休みに帰った時、アオスジアゲハの写真を撮りたくてクスノキの生えている神社とその周辺に出掛けた。このアオスギアゲハはクスノキに産卵するためあっちこっちに飛び回っているので、なかなかピントを合わせられずに、結局は良い写真は一枚も撮ることができなかった。そこで、仕方なくその周りの雑草が生えている原っぱなどを見ながら、植物の写真を撮った。そうしていたら、遠くに一見アヒルのような姿形の鳥が一羽雑草の中を歩いていた。水鳥でないかと思ったが名前は分からず写真に撮った。後で図鑑で調べたらケリではないかと思う。
シロサクラタデ
その近くの周りを鎖で囲んである野原の奥に白っぽい小さな花をつけた植物が見えた。その姿形はサクラタデのようだった。天童で見る桜色のピンクでなく白い花だった。カメラを望遠にして写真を撮った。後でパソコンに取り込んでみたらやはりサクラタデであった。
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