ゴウダソウ

これまで宮城県、山形県と福島県を跨いで(またいで)移動することが多く、山沿いの道や県境の峠やトンネルを越えての移動など、ある時期にはタクシードライバー並の距離数を走った時代があった。3年間で12~13万キロ位の距離数の時もあった。

 そうして走っていて赤紫色のアブラナ科の花を咲かせている植物を見かけるようになった。色々なところで何度も見るので、車を止めて写真を撮った。花の形はアブラナ科なので4枚の花弁があり葉もナタネとも似ている。種を取るためというよりは観賞用ではないかと思った。

ハナダイコン(ショカツサイ)その1

 道の脇や畑の隅に咲いているので人為的に植えたのだろうと思うが、他のアブラナ科の植物のように根菜類の大根や蕪(かぶ)を作っているのかは分からなかった。ハナダイコンという言葉を聞いたことがあったので、これはハナダイコンに違いないと考えたのである。数年前に年賀状にこのハナダイコンの写真を載せて送ったこともあった。

 春になってハナダイコンの花が咲くと赤紫色の花の写真を撮るようになったが、この色がデジタルカメラでは完全に撮れないのである。前のデジタルカメラでも同様で、この赤紫の色を写真やパソコンに取り込もうとすると、紺色になってしまう。恐らく真っ黒の色と同様に、この微妙な色を取り込むことは技術的にまだ難しいのだろう。それとも私が買ったカメラだけが、取り込めないのかもしれない。

 ハナダイコン(ゴウダソウ)その1

 何度もハナダイコンを撮っているが、色は同じだが花の形や茎の本数などがどこか違う風情のハナダイコンがあった。それも私はハナダイコンだと思っていたが、ある時その花が咲き終わって実ができたものを見たら薄っぺらの皿のような実をつけていた。この実はドライフラワーの店で見たことがあったので、ドライフラワーを作るために植えられた植物なのだろうと思った。こんな奇麗な花の色と出来る実の突飛さの関係が、私には奇跡のように思えて吃驚したのである。

 ハナダイコン(ゴウダソウ)その2

 その後理科教室の2012年6月号(日本標準刊)の表紙に、何とこの花と植物がゴウダソウという名前で載っていた。ハナダイコンと言うのではなかった。そこでゴウダソウを調べたら、これはヨーロッパ原産のアブラナ科の植物で、大学教授の合田清さん(だからゴウダソウ)が1901年に日本に持ち帰ったとのことである。実の形からオオバンソウとかギンカソウとも言われているらしい。またルナリア属に属しているのでルナリアとも言うらしい。ルナは月ということなので実の形が月になぞらえているのかもしれない。

 ハナダイコン(ショカツサイ)その2

 このゴウダソウとは別に、私がハナダイコンだと思い込んでいたものが別に存在していた。日本ではショカツッサイと呼ばれている。これは三国志に出てくる有名な蜀の軍師である諸葛孔明が、食料である野菜として栽培させたと言われている。そうだとすると随分昔から日本にはあったものではないかと思う。詳しくは葉の形が違っていたり実が違っているようなのである。同じアブラナ科でも進化の過程で、同じように見えながらも異なるように変化していることが見てとれる。

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