ショウマという植物は最近になって知るようになった植物である。その経緯は附属鈴川第二幼稚園長の大谷正美先生の書いた本の中に載っていたからである。私自身はそうした花を見かけた経験もなく全く分からなかったが、先生が植物観察に人を連れて蔵王の麓近辺を歩いていた場面のところに、ショウマだと教えている場面があった。
これまでショウマを見たことがなかったが、図鑑で調べてみたら茎から何本かの花茎が出て、その周りに白い花がいっぱいついている。華やかというよりは、小さい花の束が散らばった感じの風情である。
そんな経緯で知るようになったが、宮城県の村田から岩沼市に抜ける県道の峠筋で、偶然にこのショウマが咲いているのを初めて見かけた。そこの近くには木イチゴもなっていて一緒に写真を撮った。そうした経験をしてから山形から仙台に抜ける国道48号線でも、山形から鶴岡に抜ける月山新道でも、道の端々にショウマを見かけるようになった。昔からショウマは咲いていたのだろうが、私には見えなかったのである。
村田で見かけたヤマブキショウマ
その後ショウマのことが気になって色々調べてみると、ショウマには色々の種類があることが分かった。しかも同じ科というわけでなく、ユキノシタ科、キンポウゲ科、バラ科に分かれている。花の形が同じようなものをショウマと呼んでいるのではないかと思う。ショウマは根を漢方薬として使う名前に由来するらしく、それはサラシナショウマというキンポウゲ科である。この根を使うだけでなく、若葉を晒(さら)して灰汁抜きして食用にするが苦味があるとも書かれていた。キンポウゲはもともと毒草だからこうした灰汁抜きをして食べることが普通で、だからこそ漢方薬として使われるのだろう。薬と毒の違いは使い方やその量などによるだけである。
伊吹山でみかけたサラシナショウマ
ユキノシタ科のトリアシショウマは、若芽を茹でてから水に晒して和え物や煮物に使われている。ユキノシタ科の仲間なら癖はなく美味しいはずだと思う。バラ科のヤマブキショウマも同じように茹でて晒して食べられる。
村田で見かけたトリアシショウマ
私が見つけて写真を採ったショウマは何ショウマかというと、どうもバラ科のヤマブキショウマではないかと思う。図鑑に載っている写真とほぼ同じだからである。車から見たショウマも、多分このヤマブキショウマではないかと思われる。
ショウマの仲間でヨーロッパで園芸種として改良されたアスチルベという花があると。花の形はショウマの仲間と同じだが、ショウマはどの花も白いのに、ピンクっぽいものなど色合いが多様である。基本的な形態は変えずに、色合いどを変化させたり花の大きさを改良すると、園芸種になるのだろうか。
先日、若松観音の昇り口に至る道路の脇に、谷川が流れるコンクリートの側溝があるが、その側溝の向こう側にたくさん植物が生えていた。その中に大きな白い穂が立っている植物を見かけた。それの写真を撮ったが、距離が離れているのと下草が生えているのではっきりしないが、花の穂のつき方を見るとサラシナショウマではないかと思われる。今年は確かめることはできないので、来年もう一度確認したいと考えている。どんどん疑問や興味が拡大していくのでとても楽しい思いをしている。
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