色々の植物に出会い、それを調べるために植物図鑑を見るようになった。ゲンノショウコという名前と花に興味を持っていた。昔から下痢止め薬として、センブリと同様に民間薬の原料として聞いていたからだった。その名前の謂われはすぐに効くからゲンノショウコというそうである。この植物の成分はタンニンで苦いのだろうと思うが、かなりよく効くものらしい。
ゲンノショウコとその実(ミコシグサ)
私の小さい頃、下痢止めの薬といえば正露丸だった。強烈な臭いの黒い丸薬だったが良く効いた。この名前の由来は日露戦争のときに兵隊が持参したことによる。先日、この商標登録で裁判沙汰になったが、それほどこの名前は誰にでも知られているからだろう。最近ではテレビコマーシャルを見ると、苦さを和らげるために糖衣錠にしているようである。正露丸の材料の中に、センブリとかゲンノショウコが含まれているのだろうか。正露丸の丸薬の形や臭いからすると、漢方薬の材料が含まれていると思えるからである。
夏から秋になると天童周辺の田んぼの畦に雑草が生えるいたるところにゲンノショウコが生えている。図鑑を見ると赤い色をしたものが載っているが、この辺りでは赤いものを見たことがなくほとんどが白である。色の違いが他種と区別するポイントだろうか。この白いゲンノショウコは近くで見ると清楚で可愛らしい花である。調べると色の違いは、どうも西日本では赤いものが多く、東日本では白いものが多いと記されていた。
私がこだわっているのは、似た名前にタチフウロとかチシマフウロとか、地方の名前がついた~フウロという名前である。ゲンノショウコもフウロソウ科のフウロソウ属に属しているので同じ仲間には違いないが、その違いが何か分からないままでいる。フウロ科フウロ属のそれぞれの変種なのだろうか。今のところ私はそう考えて思考停止しているところである。
秋になって山元沼の周辺の畑を散策していたらゲンノショウコの花が咲いて実もできていた。それが何本か立ち上がって形がカタバミの実のようなのである。それが乾燥して弾けると中の種が周辺に飛ぶ。こうして跳んでしまった後の形が神輿(みこし)のように見えるのでミコシグサともいう。
アメリカフウロ
アメリカから来たアメリカフウロというものもある。一見すると分からないが、その葉の形の切り込みが大きく細い感じの葉である。先日鶴岡市の羽黒町の金沢屋というそば屋にいった。食べ終わって店の付近をぶらぶらしていたら、ソバの花とアメリカフウロだと直感的に感じた植物を写真に撮った。図鑑で調べたら、やはりアメリカフウロあった。
帰化植物はかの地で生態系のある位置を占めていたはずだが、日本の生態系に食い込めば、セイタカアワダチソウやアレチノウリのように在来種を駆逐して繁殖する可能性もある。天童周辺ではアメリカフウロを見ていないので、日本に入ってきたのは最近のことか、それとも日本には入りにくい条件があるのだろうか。
野草を知るようになって例えばヒマワリなどの大きな花だけに目を奪われていると、小さい花の存在が見えないとつくづく実感する。その小さい花に目を向けると、同じような小さく可憐に生きている植物の生きざまを見せつけられることも多い。
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