エダマメ

植物編

小さい時からエダマメを食べてきた。エダマメを茹でて塩を振って熱いのが少し冷めたものを食べるのが好きだった。エダマメを食べたのは父親が酒のツマミとして食べていたのに相伴したのが始めではないかと思う。小さい頃の写真を見ると初めての子どもだったせいか、父親の膝の上に乗っている写真が沢山あり随分可愛がって貰ったようである。父親は毎晩晩酌をしていたので、そのとき出ていたエダマメを食べたのはないかと思う。その位だからエダマメをいつ頃から食べ始めたか自分の中では記憶がない程である。

エダマメ(大豆)の三つ葉

今でもエダマメを食べるが、スーパーで買って枝からもいで茹でなくなってしまった。昔は枝からもいで自分で茹でて大量の塩を振って食べたものであるが、最近は塩分の問題もあり、昔ほど塩分が多いエダマメは食べていない。最近では冷凍の枝豆を買ってきて電子レンジでチンをして、温めて食べるようになっている。少し水っぽいが、時間調節だけを間違えなければ、それなりに美味しいと感じている。

 エダマメは本来大豆だから、豆腐や油をとるための原料である。それを若いうちにとって茹でて食べるというのは、国内でしか行われていないと考えていた。ラジオを聴いていたら、世界中で日本料理が有名になって寿司などが食べられるようになってきた。そのためにマグロなどの漁獲量が減ってきて、日本のマグロ価格が高くなっているのは皆さんご存知の通りである。こうした日本料理の中で、日本酒などもライスワインとして外国に輸出されるようになったのと同様に、外国人に枝豆が食べられるようになってきたと話していた。

 エダマメ(大豆)の蝶形花

 そのエダマメは日本産ではなく、世界のいたるところで作っていると話していた。例えば、タイ、中国、アメリカなどである。エダマメは大豆の若いものであり、日本は大量に大豆をアメリカから輸入しているのだから、それらの国で枝豆用に育てることは別におかしいことではない。日本人の殆どが枝豆を美味しいと感じるから、世界の人たちも美味しいと感じるのは、何の不思議なことではないと思う。

 エダマメ

 そんなエダマメであるが、今まで食べてきたものが同じ美味しさかと言えば、美味しいものやそうでないものがあった。私自身は美味しさの違いをあまり区別することが出来ずに、これまで暮らしてきたが、山形県には庄内地方で有名な「だだちゃ豆」と言われる枝豆がある。寒河江の道の駅などでは、だだちゃ豆饅頭とか、ずんだ餅などが売られている。この「だだちゃ」とは、庄内支庁の資料によれば、「『だだちゃ』は庄内のことばで、『お父さん』の意味で、由来はいくつか存在します。ある時、枝豆をお殿様に献上したところ、あまりの美味しさにお殿様が『これは、どこのだだちゃ(お父さん)が作った豆か?』と尋ねられたことから名づけられたとの説が広く伝わっています」と述べられている。これまで、このだだちゃ豆は新鮮でなければならないので、山形県内を中心に販売されてきたのだが、冷蔵技術が発達して、最近では遠方まで運ばれるようになった。

  ダイズのサヤ

 このだだちゃ豆は、色々の品種があるが8種類(小真木、早生甘露、甘露、早生白山、白山、平田、晩生甘露、尾浦)を生産者連絡協議会がだだちゃ豆としている。一般的な枝豆との違いは、こくの深い甘さと独特の旨味だという。そうした理由として、この資料によれば、①民間育種の伝統 農家が種採りを行いながら豆の交換をして良いものを選んできた ②土壌 水はけの良い土壌が必要で、鶴岡市の湯尻川流域は砂壌土で透水性と通気性にすぐれている ③丹精込めた栽培 細かな管理だけでなく、種採りもすべて刈り取ってから乾かすという手間をかけている、その理由は、だだちゃ豆は糖分が多く、放っておくとカビが生えて発芽しなくなるからである などの細かい手間をかけているとのことである。このだだちゃ豆は、7月の下旬から9月の上旬までが季節となっている。

 私自身は普通の枝豆とだだちゃ豆を食べ比べた経験がないので、どの位の違いがあるのか今のところは判定することができない。これほどに有名になっているだだちゃ豆だから、この資料の通りの違いがきっとあるのだろうと思っている。先日、エダマメ (大豆)の花の写真を撮ったのだが、なかなか可愛いマメ科の花で吃驚した。いつも製品だけを見てそれの過程を見ていないから、どんな経緯でエダマメになるか、じっくり観察する必要があるなあと思ったものである。

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